第157章

久世美月は久世雪菜のその言葉を聞き、満足げに――けれど誰にも見えないところで、ゆっくりと掌を握りしめた。

どう転んだって、母は最後まで自分をいちばん可愛がる。兄たちがどれだけ不満を抱こうと、母の寵愛だけは無視できない。

もし母に何かあれば。

あの人たちは一生、悔やんでも悔やみきれない。

酒井初音。勝負しようじゃない。

最後に笑うのは、どっち?

——

その頃。

久世直哉の通話口から久世美月の声が漏れた瞬間、酒井初音の瞳から温度が消えた。

この一週間、彼女は忙殺されていた。弁護士チームに指示し、内容証明も警告書も、途切れなく送りつけている。

けれど訴訟というものは厄介だ。とに...

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